会社設立後に起業家の方々より「社会保険」について聞かれるのですが、その質問はいうと、
「社会保険、入らないといけないのですか?」
というものです。
会社設立後には、法人は社会保険に加入する義務があるのですが、起業家の方々にはそこまで馴染みのないことのようです。
同じく横浜を中心に活動されている社労士・田邉雅子先生にご協力頂きましたので、「社会保険・雇用保険編」について記載致します。
1.社会保険(公的保険)の種類(おさらい)
社会保険の分類方法はいくつかありますが、シンプルに書くと以下の通りになります。
・労災保険
・雇用保険
・厚生年金保険
・健康保険
注)この4種類をまとめて社会保険という場合と、厚生年金・健康保険の2つを合わせて社会保険という場合があります。そのとき、労災保険・雇用保険は、労働保険と言います。
2.雇用保険について
雇用保険は巷では、失業保険とも言われます。
まず雇用保険は、どういう人が入らないといけないのか、というと、
① 31日以上雇用見込みがあること
② 1週間当たりの所定労働時間が20時間以上であること
の両方を満たす方が対象になります(個人事業主も当てはまります。)
すなわち、①と②のいずれかの場合は、雇用保険に入る必要はございません。
週20時間未満の雇用や、1か月で雇用が終了する場合(例えばお中元・お歳暮の入力要員)などは入らなくてよいです。
また昼間学校に行っている方、大学生などは勉学がメインですから、加入しなくてよいです。
手続きはとても簡単です。初めて雇った方が①②の両方を満たす場合、管轄のハローワークにて、「事業所設置届」と雇った方の「被保険者加入届」を提出すれば、完了です。保険料は一般の事業であれば、会社負担分は賃金(給料)の8.5/1000、労働者負担分は賃金(給料)の5/1000です。
例:額面20万円の(1か月)賃金の場合、会社負担分は1か月1,700円、労働者負担分は1か月1,000円です。
保険料の納め方は、労災保険料と一緒に、年1回納めます(分納あり)。
雇用保険に加入している事業主のメリットは、なんと言っても助成金の申請が出来ることです。実は、保険料の会社負担分は労働者負担分より多い、賃金(給料)の3.5/1000が、財源となっています。助成金は、国が「弱者を雇用してほしい(あるいは、退職させないでほしい)、就労経験の乏しい人を雇用して育ててほしい」と考え、そのために会社がかける手間を軽減するために助成するものです。
昨今特に注目されている助成金は、「教育系助成金」と呼ばれるもので、中でも「キャリアアップ助成金」は、パートや契約社員等の有期契約労働者(非正規)を雇って、教育訓練をすると、条件が合えば受給できます。訓練した後、正社員に切り替えたら、中小企業であれば、1人につき50万円も助成金が出ます。
(この記事は2014年6月現在の状況になります。詳しくは、社労士田邉先生にお問い合わせ、またはこのサイトを通してもご対応致します。)
併せてこちらもお読みください:「会社設立後に行う社会保険について(労災保険編)」
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