会社の設立の際は、「発起人」を立てる必要があります。
日常的には聞きなれない言葉ですが、今回はこの発起人について説明します。
そもそも発起人とは
発起人とは、一言でいうと、会社設立時に株主になる人のことで、株式会社では一人以上の発起人が必須となり、数の上限はありません。個人と法人、どちらでも発起人となる事ができますが、いずれの場合も出資をしている株主であることが条件となります。
発起人は設立後の運営に関しては責任を負わず、あくまで会社の設立そのものに責任を負い、そのための事務を行います。複数名発起人がいる場合には、内より全員の決定により代表者を選ぶ形で、発起人代表をたてるのが一般的です。
その理由としては、定款の認証手続きに役場に複数名で行くより一人の方が、また出資金の払込みも全員分の口座を作るより、代表者一名の口座に振り込む方が合理的だから、という事が挙げられます。
発起設立と募集設立の違い
発起人のみが株式を所有する形式での設立を「発起設立」、発起人以外にも所有する場合は「募集設立」といいます。一人の発起人で設立を行う場合は、100%個人の思い通りに運営を進めることができますが、複数の発起人で設立する場合、株式の各所有率(持株比率)を慎重に決めることは一つ重要なポイントとなります。
株式会社の意思決定は株主総会で行われ、例として持株比率10%以上で会社の解散請求権、33%以上で特別決議の拒否権が得られるなどの権利が発生し、各々の持株数に応じて株主へ、株主総会での様々な権利が発生するためです。よって、設立後運営していく上で、発起人が長い目でみてもうまく付き合っていける人かどうかをしっかり考えて決めないと、後々経営方針に関しトラブルが起きてしまう可能性もあります。
複数で会社設立をするときの注意点
設立時、自分の身の回りにいる親しい人をとりあえず発起人として選出することがありがちですが、現時点で親しい関係にある相手であっても、会社を運営していく上で発生するあらゆる問題に直面する内に、最終的にはお互いに法的な権利や義務を主張することになってしまうケースとなる事も、可能性として少なくはありません。
設立の段階で、想定できる限りの様々なケースを踏まえた上でリスクヘッジを事前に行う事が、スムーズな会社運営には大切な部分となります。組織構成において検討事項のある方は、一度会社設立に詳しい専門家へ相談することをおすすめします。
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